ランナー膝

ランナー膝とは
最近、走り過ぎていませんか?太ももの外側に痛みを感じませんか?もし思い当たることがあれば、それはランナーズ膝かもしれません。
ランナー膝とは、正式名称:腸脛靱帯炎と呼びます。

腸脛靱帯は太ももの外側に位置しており、腸骨(骨盤の外側)から脛骨(スネの骨)の間を結合させているバンド(帯状の結合組織)です。膝関節の曲げ伸ばしの際の重要な役割があります。
腸脛靭帯炎は、膝の屈伸運動を繰り返すことで、腸脛靭帯が膝の外側の上方にある骨のでっぱり(大腿骨外側上顆)を何度も通過するために炎症が起こると考えられています。主に長距離ランナーや自転車競技者に起こりやすいです。
一般的な治療
ランナー膝と呼ばれる腸脛靱帯炎ですが、一般的な治療としては、安静、冷やすこと、痛み止め、リハビリなどが治療の第一選択となります。しかし、腸脛靭帯炎の80%の人は半年以内に保存療法で改善するとされています。一方で一部の人は、治療を受けていても痛み症状が改善せず症状が長引くことがあります。そのような場合は痛みの原因に対する根本的な治療ができていない可能性が高いです。
症状が長引く原因として、このような炎症の部位には、通常では見られないような異常な血管が増えており、異常な血管とともに神経も増えることで治りにくい痛みの原因となっていることがあります。
リハビリとしては、ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えることがよく言われますが、頑張りすぎると、またやり方が間違っていると、腸脛靱帯炎はかえって悪化してしまうので注意が必要となります。
積極的な治療
一般的には、鍛えることや予防のテーピングとされていますが、なかなか個人では続けられない傾向にあります。
当院では、スポーツ傷害を専門とする治療を長年おこなっており、どのようにすれば効果的に腸脛靱帯炎が改善させるのか、臨床の場で研究してきました。その結果、最適な治療法としては、ショックウェーブ療法での柔軟性向上、障害部位の機能回復、そして筋膜ストレッチでのフォーム矯正、どうしても痛みが取れない、ひっかかりが気になる時の鍼灸治療をおすすめします。患者さんひとりひとり症状の状態は異なります。そのため、最適な治療プランを組み立て、ご提案した後に、患者さんのご要望に合わせて治療をおこなっていきます。
ショックウェーブ

ショックウェーブは、もともと腎結石の治療として、衝撃波を利用して石を砕く治療に利用していましたが、五十肩のような拘縮期でご紹介したような硬くなった組織に対して有効な治療法です。近年では、スポーツ傷害の治療としても使用されつつあります。
当院では、衝撃波の中でもラジアル・ショックウェーブ(Radial Shockwave)という安全性の高い低出力衝撃波を使って、筋・筋膜、腱の治療を施して行きます。そのため、使い過ぎで固くなった腸脛靭帯周辺の組織に対して効果的に作用してくれます。
筋膜ストレッチ

姿勢はその人の歴史を物語ると言われるほど、健康・老化・様々な病気と密接な関係があります。
ランナー膝の原因の一つとして、当院では不良姿勢の原因となる筋膜の癒着や硬化をリリース(除去)しながら、身体の柔軟性を高め、骨盤や背骨の歪みを治療していきます。
ランナー膝の原因になっている姿勢の悪さは、患者さんによって、走るフォームが合っていない、足を組んでばかりいる、猫背、骨盤の歪みなど様々です。この原因を、一人ひとりの原因に合わせてリセットすることで、腸脛靭帯に負担がかからない体に変えていきます。
鍼灸

スポーツ傷害だけではありませんが、怪我や使い過ぎの痛みがあらわれると、なかなか元のようには戻りにくい傾向にあります。どうしても痛みをかばってきた悪い癖としてからだの変な使い方があるだけでなく、一番悪い部分、受傷した部分は固くなり、最後まで痛みや引っ掛かり感として残ってしまうことがあります。そんな時は、直径0.1mmという髪の毛と同じ太さしかない繊細な鍼でアプローチすることで痛み、緊張を改善させることができます。