シンスプリント

すねの内側が痛くなる

マラソンなどの練習などですねが痛くなることはありませんか?
すねは(弁慶の泣き所)と呼ばれるくらい痛みに弱い骨です。ランニングなどの走り込み、または、急にたくさんの距離を走ることによってすねの内側が痛くなることをシンスプリントと呼んでいます。
シンスプリントは、古典的な病名であり、いくつもの解釈や診断がありますが、一般的には、すね(脛骨)の内側が疲労して骨膜炎を起こしてしまう病気です。
シンスプリントの原因
シンスプリント発生のメカニズムには諸説あり、はっきりしたことは明らかになっていません。使いすぎが一番の原因ですが、その他に主な発生要因としては、次のようなものが挙げられます。
内的要因 – 扁平足やランニングフォームなど
- 負担のかかりやすいランニングフォーム
- 衝撃を受けやすい足の形(扁平足、回内足)
- 下肢の筋力不足
- 筋肉の柔軟性低下
外的要因 – シューズや道路コンディションなど
- 硬いグランド
- タータンなどの反発力の強いグランド
- アスファルト
- かかとがすり減っているシューズ
- クッションが薄い中敷き
疲労骨折との違い

シンスプリントのほかにもスポーツに伴ってすねの内側が痛くなるケガのひとつに、疲労骨折があります。痛む箇所もよく似ていていますが、治療方法が異なるので正確な判断が求められます。
シンスプリントの場合、痛みを感じる部分が約10cmと長く、半数近くは両足のすねに症状が出るのが特徴です。また、徐々に発生する下腿内側(主に脛骨内縁中1/3、目安として脛骨内踝より12~20cm上)の圧痛、運動時痛、腫張が主症状で、足屈筋の抵抗運動で痛みは増強します。
一方、疲労骨折の場合は、片方のみに発症するケースがほとんどで、5cm以下のピンポイントで痛みが発生します。
症状の程度
Stage1:痛みはあるがウォームアップにより消失する
Stage2:ウォームアップにより痛みが消失するが、スポーツ活動終了近くに痛む
Stage3:日常活動に支障はないがスポーツ活動中、常に痛む
Stage4:局所の痛みは常に存在して日常生活にも支障がある
治療
シンスプリントの治療は、基本、運動量など、考えられる上記の原因を制限します。
急性期は局所の安静(ランニングの休止)、アイシング(アイスマッサージも)、消炎鎮痛剤を用います。扁平足などの形態補正には足底板を用います。
これだけでは、なかなか良くならないのがシンスプリントです。学生さんなど部活で走り始めた比較的若い世代に多い病気なので、走りたくてウズウズしている人も少なくありません。
そんな時に早期回復の手助けとなるのが当院の治療です。
積極的な治療
超音波

シンスプリントに対する超音波治療は、オスグッドや疲労骨折同様に、低出力の超音波を患部に当て、炎症や腫れを抑え、痛みを軽減する目的で行われます。また、剥離した骨の骨癒合を促進させる効果、損傷した組織の修復を促す効果も期待できます。
ショックウェーブ

ショックウェーブは、もともと腎結石の治療として、石を砕く治療に利用していましたが、五十肩のような拘縮期でご紹介したような硬くなった組織に対して有効な治療法です。
ショックウェーブをおこなうことで骨膜、筋肉、筋膜の炎症を緩和させる治療をおこなうことができます。
姿勢矯正

シンスプリントになる人は、比較的姿勢の問題がついてまわります。もし、猫背もしくは、フォームが前のめりになっている場合は、シンスプリントの再発も少なくありません。また、ずっとグランドを周回している人の場合は、半身が疲労しやすく、背骨も緊張した筋肉に引っ張られて曲がったような状態になることがあります。このような姿勢が発病に関わっている時は、姿勢矯正もおすすめします。重心が体のセンターになるように矯正することによって、再発防止だけでなく、パフォーマンスの向上にもつながります。
鍼灸

シンスプリントは、骨膜の炎症が主な症状です。しかし、骨膜だけでなく周囲にある腓腹筋、うあ後脛骨筋などの筋肉にも疲労。炎症が起こりやすいため、骨、筋療法とも治療が必要になります。しかし、湿布等の鎮痛薬では、損傷部位の再生に必要な成分まで薬で抑えてしまうため回復が遅くなります。一方、今回ご紹介する鍼灸治療では、骨膜、筋・筋膜の炎症を自然に回復する手助けをすることができます。痛みを止めるだけでなく回復が早くなるため普段の生活への復帰が早くなります。